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日記
2025-11-24

ダイヤモンドのグリーン

お客様からご質問いただきましたダイヤモンドのグリーン。

GIA.G.Gの宝石鑑定士の資格を持ってはいるものの、苦手な科学的な知識は右から左(笑)。

 

宿題として少し調べたことを日記に書いてみました。

ダイヤモンドのグリーンは天然も人工(ラボ)も、放射線を浴びた結果として生じたもの。

 

天然グリーンはダイヤモンドが地表近くの岩石に含まれる放射性ウランにさらされた結果で、

人工(ラボ)グリーンはリニアックと呼ばれる線形加速器、ガンマ線原子炉のいずれかを使用。

 

要因は、放射線を浴びることで構造に欠陥が生じたり希少な元素が影響をしたりしてグリーンになり

安全性は、人体に影響がないか測定したもののみが流通する為、心配はない。

 

「天然のグリーンか人工(ラボ)のグリーンかの鑑別方法」

 

・フォトルミネッセンス(PL)測定

人工照射は特定の波長で極端に強い発光を示す。

 

・分光分析

紫外・可視・近赤外領域の吸収スペクトルを詳細に分析することで違いを特定。

 

※決定的な検査方法はないものの、天然のグリーンダイヤモンドの結晶には表面に放射線のシミである

グリーン又は褐色の点が見られることがよくあり、ラボで複製することは不可能。

キューレット(石の底部)部分ではっきり見えるグリーンのゾーンは処理が施された明らかな証拠。など

 

これまでの経験による観察や分析から判断されているが、地中の放射線とラボの放射線は種類が似ている為

天然か人工(ラボ)の判断は、必ず出来るとは限らないとのことでした。

 

ご質問をいただかなければきっと復習や調べたりしなかったと思いますが(笑)、

あらためて調べる機会をいただいてとても感謝しております。

勉強になりました。

 

間違っていたり、さらに情報をお持ちの方がおられましたら

教えていただけますと喜びます。

 

N様にはまた実際に鑑別機関などに問い合わせをしてみて

メールさせていただきます。

 

誠にありがとうございました。