Door
日記
2018-7-6

iridescence に魅せられて

今のように養殖が確立されていなかった遠い昔。

食用にと採取した貝の中から偶然、美しい光沢の真珠を目にした

数千年前の時代の人々は、きっときっと目を丸くしたことでしょう。

当時の時代の人々の心情を思うと、なんだかワクワクしてきます♪

そんな風にして見出された偶然の産物としての真珠(天然真珠)だけでしたので

それはそれは稀少なもので一部の上流階級の貴族や

王室などに受け継がれるようなものでした。

以前の記事でご紹介させていただきました圧巻の天然真珠による装飾。

 

本日は、この真珠そのものではないのですが

美しい真珠を育む母貝の方の魅力をすこしご紹介してみたいと思います♪

 

ヨーロッパのアンティークでは銀のスプーンやフォークなどをよく見かけます。

シルバーだけで仕立てられたものも多いのですが

スプーンやフォークの柄の部分にmother of pearl マザーオブパールと呼ばれる

母貝の部分を切り取って加工したものが

つけられ大流行し、当時の人々にもてはやされました。

 

ほかにもいろいろと生活の中に溶け込んでいたマザーオブパール。

鳥やちいさな動物、花や葉のかたちを模したブローチなどのアクセサリーや

現代のものよりも格段に目の詰まったしっかりとした手織りのコットン生地を

手縫いで仕立て上げるキャミソールやワンピースといったものから

男性用のワークウェア、クッションカバーや寝具のカバーなど

生活に必要なリネン類には、かならずこのマザーオブパールを削りだした

貝のボタンがつけられています。

現代でも貝のボタンはよく見かけますね。

こちらは、私のアンティークコレクション・・・というと大げさですが

120年くらい前のアンティークリネンなどに付属していた貝ボタンです。

 

眺める角度によって輝く虹色の光沢がとても素敵に映って・・・

思い起こせば、お洒落に目覚めはじめた? 10代くらいのころから貝ボタンが大好きでした。

高級なブランドの洋服には、もともと貝ボタンが使われていることが多いのですが

そんなに高価なものは買えないけれど

せめてボタンだけでもお気に入りにしたい・・・と

プラスチックのボタンをわざわざ全て貝ボタンに付け替えていました(笑)♪

お写真はアンティークのお品ですが

普通の貝ボタンは、着なくなったものからも大切に外してとっておいているので

今でもたまに付け替えたりして楽しんでいます(笑)

貝殻の内側の虹色に輝く美しい光沢(後にイリデッセンスというものであると知るのですが)

に惹かれて、これで何かを作ったら素敵だろうな・・・・なにが作れるんだろう

貝によっても色合いの出方や輝きがちがうなぁ・・・なんて

貝殻をおままごと遊びの器に見立てながら

目を輝かせて考えていた幼少期。

やっぱり好きなものって、ずっと変わらないんだな・・・と

つくづく思うのです♡

今、こうしてパールを皆様へご紹介させていただくことになったのも

もしかしたら偶然ではないのかもと思ったり。

微力ながらでも素晴らしい魅力をお伝えしていけたらと思っています♡